2026年7月26日、5.5周年の生放送にて、ガチャの仕様変更が発表・リリースされた。
この仕様が悪質な改悪であるという個人的な見解を書いてみる。
仕様変更の比較
まずは旧仕様(呼び出しポイント)と新仕様(呼び出しチャージ)の比較から
【新情報⑰】
— ブルーアーカイブ公式 (@Blue_ArchiveJP) 2026年7月26日
7月29日(水)メンテナンス後より、生徒募集の仕様がリニューアルされます!
「呼び出しポイント」の廃止に伴い、新たに「呼び出しチャージ」や「募集回数特典」が実装されます。
※詳細はこちらの画像にてご確認ください#ブルアカ#ブルアカらいぶほっとの三段活用SP pic.twitter.com/w5LqsGYt9D
旧仕様(呼び出しポイント)
- ガチャを回すごとに呼び出しポイントが溜まる
- 呼び出しポイントが200溜まった時点で開催されているすべてのガチャのピックアップキャラから交換可能
- ポイントはガチャ期間が終わるとリセットされる
新仕様(呼び出しチャージ)
- ガチャを回すごとに呼び出しチャージが溜まる
- 呼び出しチャージは恒常ガチャと限定ガチャでそれぞれ別に溜まる
- 呼び出しチャージが100になるタイミングで、そのガチャのピックアップ率が50%になる(半天井)
- 呼び出しチャージが200になるタイミングで、そのガチャのピックアップ率が100%になる(天井)
- チャージはそのガチャのピックアップキャラを引いた時点でリセットされる
- ピックアップを引けなかった場合は、ガチャ期間が終わってもリセットされない
何が問題なのか
まず新仕様で恩恵を受けるのは、一人だけは確実に手に入れたいプレイヤーである。
旧仕様では天井の200回目まで特に何もなく無風だったが、新仕様では100回目のタイミングで半天井が追加されたことにより、純粋な期待値が上がったことになる。
100回目の場合、旧仕様では約50%なのに対して、新仕様では約75%まで跳ね上がる。
ただ、ブルアカのガチャは新規実装の場合、ほぼ確実に2人が同時にピックアップ対象となる。
そして今回の仕様変更は、2人とも確保したいプレイヤーにとってかなりマイナスだからである。
まやかしの期待値上昇
この新仕様が発表されてから、一部のユーザーからは「2人狙いであっても新仕様のほうが期待値の観点でお得」といった言説がなされていた。
確かに以下のように各回数ごとの累積確率を比較してみると、多くのポイントで新仕様が上回っているように見える。
しかし実際はどうでもいい箇所の期待値が上がっており、重要な箇所で期待値を下げられているのだ。
150回、300回という効果の薄い位置での期待値上昇
まず新仕様では150回以降で大きく期待値が上昇している。
しかし例えば150回の時点では、旧仕様では約28%、新仕様でも約41%しかなく、元々低すぎる期待値が上がっただけに過ぎない。つまり幸運なユーザーが一部増えるだけである。
特に悪質なのは300回以降である。再び新仕様が上回るのは300回(正確には299回)だが、この時点で旧仕様であっても既に約88%まで達しており、このラインで確率が上がったところで、実態は過剰な救済でしかない。
200回というセーフティーゾーンの破壊
そして、この仕様変更を改悪だとする最大の理由は、200回ラインで期待値が悪化しているからである。旧仕様では約75%あった確率が、新仕様では64%まで下げられている。
これは旧仕様にあった「ポイントの共通化」が撤廃された煽りを受けたことによるものだ。
例えば旧仕様であれば、150回目で1人目を当てることができれば、残りの最大50回で2人目を確保することができた。
つまりこれ生までは200回も回せば安定して2人を確保できていたのが、250~300回という経済的負担の大きいラインにまでハマる可能性が上がったのだ。
早めに2人確保できるユーザーも増えてはいるが、それは片方で半天井を当て、なおかつもう片方も早めに当てるような幸運なユーザーだけである。
ちなみにブルアカのガチャは1回石120個、一番お得な石が4800個で10000円。10000円払っても50連すらできないことを踏まえると、200回ラインから250~300回に悪化するリスクは相当な経済的負担と言える。

実質という言葉の無意味さ
新仕様になって追加された要素に「募集回数特典」がある。その名の通り、回した回数に応じてアイテムが貰えるというものだ。
実はここに「期間限定10回募集チケット」がラインナップされている。その数は計80回分になる。
これを以って、「W天井の回数が400から実質320になった」と主張する人がいるが、正しいとは言えない。
もしこのチケットが最初から配布されるのであればこの主張も的を射ているが、実際はほとんどが130~170回目/330~370回目という各PUの後半~天井付近になってようやく渡される。
そのため、そもそもそこに到達する時点で大量の石を用意しなくてはならないという事実は大して改善されていないのである。
その他今回の仕様変更に対する雑感
チャージ引き継ぎって嬉しくないどころか・・・
期待値問題並に重要な問題点
今回の変更によってチャージが引き継がれるようになった。これを改善点と捉えるユーザーもいたが、個人的にはそうは思わない。何ならチャージ引き継ぎはデメリットにすらなる。
ガチャというのは人によって価値が異なる。 「絶対に欲しい」と思うものもあれば、持っているから「絶対にスルー」するものもある。余裕があったら回す「そこそこ欲しい」というレベルのものもあるだろう。
これまでは引き継ぎなんて無かったので、ラインナップ単位でシンプルに回すか回さないかを考えればよかった。
ところが、チャージ引き継ぎのせいで余計な神経を擦り減らさなくてはならない場面が出てくる。
極端な例になるが、切り替え前のガチャでチャージが190溜まっていたとする。
つまりあと10回回せば天井(200)を迎えるわけだが、切り替え後のラインナップが「そこそこ欲しい」程度のガチャだった場合、チャージを消費してしまっていいのか考慮しなくてはならないのだ。
もしかしたら次のラインナップが「絶対に欲しい」キャラかもしれない。200回という回数は相当に重いため、とても気軽にチャージは消費できるものではない。
要するに天井をコントロールするために、ガチャをスルーするといった馬鹿げた計画を立てることを強いられているのである。
さらに期限付きのガチャチケットを所持している場合は、最悪の展開にもなり得る。
もし残り期間が迫っている場合、チケットを消費せざるを得ない。しかしチャージの状況とラインナップの所持状況によっては、天井に到達させないために泣く泣くガチャチケットを捨てるというケースも出てくるだろう。
統括Pのお気持ち表明について
この仕様変更が発表されて数日後、統括Pがコメントを発表した。
『ブルーアーカイブ』の統括プロデューサーのキム・ヨンハです。
— Yongha Kim (@ysoya) 2026年7月28日
今回の生徒募集システムのリニューアルに関し、先生方に多大なる不安と困惑を与えてしまいました。
ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。…
長々と書いているが、「1人も引けない人を救済したかった」ということらしい。
それが本心ならば、例えば旧仕様のまま半天井を実装するといった仕様変更を行えばよいのであって、2人狙いのユーザーを巻き込む必要は一切ないはずだ。
それをせず2人狙いのユーザーへの影響を隠しつつ仕様変更をゴリ押し、そしてさも 「プレイヤーを思ってやってあげたんですよ」という言い訳をする姿勢が心底腹立たしい。
このスタンスは、過去にイベントシナリオの粗末な翻訳を「ローカライズ前のシナリオ意図が伝わるように~」などと言い訳していた頃から一切改善されていない。
売上とかユーザーからすれば知ったことではない
なぜこんな複雑な仕様変更をしたのかを勘繰る声の中には、「ネクソンの業績悪化+社長交代で、できる限りバレにくい形で売上を稼げるような仕様にしたんじゃないか」というものがあった。
それが事実であれ違おうと、ユーザーからすれば知ったことではない。
ブルアカのガチャは(悪い意味で)普通にキツい。天井こそ他ゲーより低いかもしれないが、ピックアップ率は0.7%と相当渋く、何より一度のガチャ更新で2人新規追加される点が異常である。
しかも今回は一週間で更新、つまり二週間で4人も0.7%のガチャが追加されるわけだが……こんなシステムを平然と繰り返しているくせに、旧仕様のポイント共通がユーザーに有利過ぎると本気で思っているのだろうか?
売上悪化の改善のためにゲームそのものを良くしようとするのではなく、ガチャ改悪という安易で危険な劇薬に手を出したのであれば、相当危険なシグナルだと思う。
終わりに
以前の仕様に早急に戻してください。

































































