おかやま山陽、岡山東商に敗れる……日大クエストとは何だったのか?【夏の高校野球 岡山大会 2024】

 昨夏甲子園ベスト8のおかやま山陽が、岡山東商に敗れ、2回戦で姿を消した。

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 おかやま山陽は昨年夏甲子園に出場し、ベスト8まで勝ち進んだ。対戦校には大垣日大日大三高がいたことで、彼らの甲子園大会は「日大クエスト」とも呼ばれた。そんなおかやま山陽であったが、今夏の地方大会では2回戦であっけなく敗退。昨夏のベスト8校が、地方大会序盤で敗退……一見波乱のように思われるかもしれないが、実際は順当な結果ではないだろうか。

 甲子園以降のおかやま山陽高校の足取りを追っていくと、彼らがいかに苦戦していたかが分かるだろう。まずは秋季大会。準々決勝まで進んだものの、総社南に敗北。総社南は甲子園出場経験は無いし、岡山県内で見ても、とても強豪とはいえない高校である。

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 さらに春季大会では初戦敗退で、夏のシード権を逃す結果に。(ただし相手は強豪校の倉敷商業であったため、これは仕方ないといえるレベルだろう。)結局、おかやま山陽は公式大会で結果を残すことができないまま。夏の地方大会を迎えることになる。

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 初戦の相手は明誠学院結果は4-2の辛勝。エースの三宅が完投するものの、被安打6、四死球4。対戦相手の明誠学院だが、はっきり言ってしまうが弱小校である。気になる人は学校の公式戦記録を見てほしい。基本初戦敗退、カード運が良くて2回戦進出……その程度である。先述の総社南よりも更にレベルが落ちるといって差し支えないだろう。おかやま山陽はそんなレベルの高校相手に、エースの三宅を先発させたにもかかわらず、投球内容も良くなく、打撃陣も4点止まり。これまで感じていたおかやま山陽への不安がより大きなものに変わった瞬間である。

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 そして2回戦の岡山東商業戦。おかやま山陽はエースの三宅ではなく、背番号3の守谷を先発投手として起用。その守谷は2回と3回で計3失点を許してしまい、序盤からペースを岡山東商業が握る展開に。7回までに1点差に詰め寄るも、9回表に途中からマウンドに上がった三宅が失点し2点差に。9回の裏には1点を返すも反撃はそこまで。おかやま山陽の短い夏が終わった。昨夏に見せた輝きはすっかり影を潜めてしまった。

 岡山県はまだ夏の優勝旗を持ち帰った高校はない。近年でも大半は初戦敗退、昨夏のベスト8は実に12年ぶりのことであった。あの快進撃は岡山県が優勝旗に一歩近づいたように思えたのだが、あれは夏の幻だったのだろうか。

 岡山大会はまだ始まったばかりで、創志学園倉敷商業が残っている。おかやま山陽が去った今、本命は好投手を揃える創志学園だろう。選抜でも課題であったように打撃がどれだけ向上したのかが気になるところだ。初戦の倉敷工業戦も1-0だったので、かなり心配しているのだが。